ローン完済後しばらく経って抵当権の抹消登記をしようとしたとき、銀行の代表者が変わっていたら?
こんにちは、福岡県久留米市のおちいし司法書士事務所の落石です。
住宅ローンを完済しても、それですべて終わりとはなりません。
住宅ローンを借りる際、ご自宅の土地と建物に登記した
金融機関の抵当権をを消す登記(抵当権抹消登記)をしなければなりません!
完済すると、金融機関から抹消登記に必要な書類が送られてくると思います。
(受け取ってないという方は、金融機関にお問い合わせください。)
その書類の中には、
- 抵当権の権利証(登記済証、登記識別情報)
- 抵当権解除証書、抵当権弁済証書などと書かれた書類
- 金融機関からの登記委任状
- 金融機関の登記簿(←入っていないことも多いです)
などが入っています。
受け取られたあと、しばらく手続きをしないうちに、
その金融機関の代表者が代わっていたらどうなるでしょう?
抵当権解除証書や委任状には、その当時の代表者名で作成されていますので、
新しい代表者名の書類に差し替えてもらうのも一つの方法でしょう。
でも、不動産登記法17条には、
(代理権の不消滅)
第17条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更
と定めてあり、
旧代表者の委任状を使って手続きできるのです。
代表取締役の代表権は委任によるものですが、不動産登記法17条4号にいう「法定代理人」には代表取締役が含まれる、という民事局長通達があります。 https://t.co/qnh6kQcjfZ
— たぐち司法書士事務所 (@taguchi_office) 2016年11月10日
通常の場合と違って、申請書には
旧代表者の代表権が消滅した旨
を記載しなければなりませんので、以下のようになります。
登記申請書
登記の目的 1番抵当権抹消
原因 平成28年4月1日 解除
抹消すべき登記 昭和●年●月●日受付第●号
共同担保目録(●)第●号
権利者 A
義務者 株式会社B銀行
代表取締役 D(会社法人等番号 0000-00-000000)
添付書類 登記原因証明情報 登記済証 代理権限証書
会社法人等番号※
登記識別情報を提供できない理由 登記済証を所持しているから
平成28年11月10日申請 ●法務局 ●支局
代理人 福岡県久留米市日吉町16番地1 ダイマンビル6階
司法書士 落石憲是
電話番号 0942-32-0020登録免許税 金2,000円
その他事項 登記義務者の代表者Cの代理権限は消滅している。
代理権限を有していた時期は平成●年●月●日から平成●年●月●日である。
不動産の表示 (省略)
※会社法人等番号によって旧代表者Cが代表権を有していたことを確認できない場合は、旧代表者Cの記載がある登記事項証明書を添付する必要があります。
申請書に記載する金融機関の代表者の氏名は、
登記申請時における代表者の氏名を提供すべきであり、
委任をした旧代表者の氏名を提供した場合には、
不登法第25条第5号に抵触するため、補正の対象となる(「登記情報659号」p23)
とありました。
ちなみに、以前、旧代表者の氏名を書いて申請して、
補正することなく完了した記憶があるので、
法務局によって取り扱いが異なるのかもしれません。
上記の論文は、法務省の担当者らが書いたものですので、
これに従って申請すればよいかと思います。
※抵当権抹消登記についてのくわしいことは、
をご覧ください。
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