再現・遺言の書き方教室その5(最終回)~付言事項
こんにちは、福岡県久留米市のおちいし司法書士事務所の落石憲是です。
遺言セミナーの再現の5回目(最終回)を始めま~す。
あなたが遺言を書こうと思われているのであれば、残されるのであれば、ぜひ遺言に書いていただきたいのが「付言(ふげん)事項」です。
たとえば、
1 下記不動産は、長男・久留米一郎に相続させる。
久留米市日吉町一丁目1番1の土地
久留米市日吉町一丁目1番地1 家屋番号1番の建物
2 下記預金は、長男・久留米一郎に相続させる。
くるめ銀行くるめ支店 普通預金 口座番号1234567
3 下記株式は、二男・久留米次郎に相続させる。
株式会社くるめ商事の株式 100株
という遺言を残そうと思ったとしましょう。
この遺言の内容は、長男と二男の相続する財産は平等ではありません。
この遺言を二男が見たら、「どうしてお兄ちゃんのほうが多いんだろう?」と不満に思うかもしれません。
では、上記の遺言のつづきに、このようなことが書かれてあったらどうでしょう?
一郎、次郎へ
お父さんは、二人のことを誇りに思っています。これからも家庭を大切にして、お母さんのことをよろしくお願いします。遺産の分割については、一郎の相続分を少し多めにしています。
これはお母さんの面倒をこれからも見てもらうことに対する対価と思ってください。
決して、一郎と次郎に差をつけたのではありません。理解してください。
二人とも私の大事な息子です。
お母さんのことをよろしくお願いします。
これが付言事項です。付言事項には、法的な拘束力はありません。
ただ、このように遺言の中に分配の理由などを書いておくと、お父さんがそういう考えなら仕方がないと思ってくれるのではないでしょうか?
実際に、遺言を書くためには、まずは、
- 自分が死んだとき、誰が相続人になるのか?
- 自分の財産には何があるのか?
ということを把握しなければなりません。
その上で、
- どのように引き継いでもらいたいか
を考えると遺言は書きやすいと思います。
わたしは、お客さまにはよく遺言のお話をします。
そのときに、少なくともどんな財産を持っているかという財産のリスト、メモ書きでいいのであるとご家族は喜ばれるんじゃないですかとお話しています。
自分の財産のことを、家族がすべて把握しているという方はそういらっしゃらないのではないでしょうか?
また、手書きの遺言を書くのであれば、実際にご自分の生まれたときから現在までの戸籍を取ってみてみてはいかがでしょうか?
今取っても無駄になるんじゃないかと思われるかもしれません。
実は相続の手続きにおいて、古い戸籍は内容が変わりようがありませんので、有効期限がありません。
手書きの遺言の場合は、家庭裁判所で「検認」の手続きが必要だとお話しました。
その申し立ての際に、「戸籍」が必要になるのですが、今取っておかれて、手書きの遺言と一緒に保管しておくと、ご家族にとても喜ばれるんじゃないかなと思います。
(久留米市の戸籍謄本などには、久留米市のキャラクター「くるっぱ」が載っているんですよ!)
講義はこの辺で終了します。
ご不明な点やご自分の相続関係の確認など、ご質問がありましたら、お気軽におちいし司法書士事務所にお問い合わせください!
実際に遺言を書こうと思われている方は、直接、事務所にご連絡いただければ、具体的なアドバイスができます。
どうぞよろしくお願いします。
では、ご清聴ありがとうございました!
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