登記識別情報の確認
以前、不動産の名義変更の登記をすると、法務局の「登記済」という朱色のスタンプが押された「登記済証」が発行されていましたが、
今では、法務局もコンピューターで管理しているので、「登記識別情報」という書面が発行されます。
このような目隠しシールが貼ってあります。このシールの下には、12桁のアルファベットと数字のパスワードが書いてあって、このパスワードを次の登記の際に必要になる場合があります。
昔の「登記済証」は、現物が確認できればいいのですが、この「登記識別情報」は現物があるだけではダメなんです。
なぜかというと...
登記識別情報で重要なのは12桁のパスワードですので、それを盗み見られたら、昔の登記済証を取られたことと同じことです。
また、登記識別情報は、そのパスワードを失効させることもできます。(目隠しシールが剥がされるなどして、パスワードを盗み見られたと感じたら、失効の手続きをしたほうが安全でしょう。)
ですので、登記識別情報の書面の現物があったとしても、それが有効かどうかは見た目では判断できないのです。
では、どうするかというと、
- 登記識別情報のパスワードが有効かどうかを確認する
- 登記識別情報のパスワードが失効していないかどうかを確認する
いずれかを確認します。
わたしは、2.の失効していないかどうかの確認をするようにしています。
この確認方法では、有効かどうかまでの確認は取れないのですが、1.の確認をするには法務局にパスワードを示す必要があります。
ただ、登記識別情報は、売主さんにとっては大事な書類。代金決済の前に渡すのは抵抗がある方が多いと思います。
2.の方法だと、パスワードを法務局に示す必要がありませんので、代金決済前に確認がしやすいからです。
司法書士は、銀行で書類を確認して、お金もらって、登記申請して終わりではなく、お客さまの見えないところで、取引の安全のためにいろんな確認をしているんですよ。